リバプール初日、到着してすぐに訪れたアルバートドックの夕日です。本当に美して・・・満たされました。
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リバプールの夕日 |
そして、最終日に訪れた昼間のアルバートドック。
なんとなく、横浜みなとみらいやサンフランシスコのウォーターフロントとイメージが重なります。横浜は育ててくれた街、サウンフランシスコは意志の力で向かった街。そんな縁のある場所をイギリスの中でひとつのものとして感じたのは初めての経験です。
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アルバートドック |
いまでは美術館や博物館やレストランに囲まれた世界遺産の一部であるアルバート・ドックですが、古くは大英帝国の繁栄をマンチェスターの産業革命とともに支えたイギリス最大の奴隷貿易港でした。
アフリカから人間を奴隷として連れてきて、新大陸アメリカへ・・・。当時は、奴隷商の看板があちこちに立ち並ぶほど誰も疑問に思わない「当たり前」のビジネスだったことは驚きです。でも、今も身体的のみならず精神的暴力による人間同士の所有関係はもっと巧妙に形を変えて存在しつづけているのかもしれません・・・。
そんな歴史文脈に生まれたジョン・ニュートン(John Newton)という人は、奴隷船の船長として暮らしたのち、勉強して牧師となり奴隷貿易へ関わった悔恨と神の恩寵を讃え、有名なアメイジング・グレース(Amazing Grace) を作詞し、奴隷貿易に反対したりしたとか。
あの凜とした美しい歌の生まれた背景に一人の人間の大きな精神的転機と行動力があったことをはじめて知りました。そして、その転機への第一歩は、「難破しそうになった船の中」で訪れたようです。
そして、彼は、英国で奴隷貿易の禁止が決まった年にまるで使命を終えたかのようにこの世を去っています。
自分は人生の荒波の中で難破しそうだよ・・・なんて思われている方々も希望を失うことなかれです(笑)
テート美術館から眺めたリバプール美術館の”Imagine Peace"の文字。