カウンセリングには、対話による療法、箱庭・絵画といったイメージによる療法のほかに、身体感覚に働きかける療法があります。現在、トラウマ軽減のための身体心理療法が数多く開発されていますが、SEもそのひとつです。
アメリカのPeter Levine博士によって開発されたSEの理論背景にはかなり納得いくものがあります。こころの問題とだけされていたトラウマを神経系統に蓄積された余剰エネルギーの反応と捉え、その身体状態を通してトラウマを解放していこうとする治療法です。
余談ですが、SEを通して私の中である再会をしました。数年前にSEのIntroductoryコースを受けた時にPeter Levineの本、"Walking the Tiger: Healing Trauma"を読んだのですが、その本は邦訳もされていて、その訳者でSEを日本に紹介されたのが藤原千枝子さん。はじめはわからなかったのですが、大学院の時にサンフランシスコでインターン先が一緒だった”Chieko-San" でした。
大学院も別々で、インターンが一緒だったのは、ほんの数ヶ月だけのことだったような気がしますが、私は航空会社を辞め、彼女は新聞社を辞め、という話をした記憶が戻ってきました。30代独身で卒業後の経済プレッシャーにもさらされていた私は、Chiekoさんを理解して応援してくれるご主人が日本にいることを非常〜にうらやましく思ったことも(笑)
「あなた、どこかで会ったことがあるように思うんだけれど。本当に初めて?私、あなたのこと知ってるように思うの」と。
う〜ん、そう言われても会ったことないです・・・。スクールサイコロジストでもあった彼女は、現在、SEの視点から学校システムの変革についての本を書いているのだとか。はい、それ必要だと思います・・・笑。学校は、子供たちだけでなく先生方もいろんな要求にさらされていて大変です。
夢の中で会ってそんな話をしたのだろうか(?)
私は、子どものセラピーだけしているわけではありませんが、この日は「子どもとトラウマ」というキーワードをもとに、カウンセラー、学校の先生、小児科医といったいろんな仕事の人たちが集まっていました。
ワークショップ2日目、アメリカで子どもたちが銃の犠牲になる事件がおこり、心を痛めたマギーに「ここに集まっているみなさんは、子どもたちのGuardian(護り人)なので、一緒にしばらくその子たちのことを静かに胸に抱いてほしい」と語りかけられ目を閉じました。
どんなに怖かっただろう・・・朝元気に家をでた子どもが帰ってこなかった家族の気持ち・・・。そして、銃を使ってしまった人の中の子どももまた助けが必要だったのだと。
涙がでました。